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これまでしばらくの間、遺産分割の豆知識をお話ししてきましたが、今回は少し趣向を変えて
弁護士の見分け方、選び方についてお話ししてみることにします。
さて、弁護士の見分け方にも色々とありますが、私がおすすめする弁護士は、「リスクを丁寧に
正直に説明できる弁護士」です。
リスクとは、もちろん敗訴リスクもありますが、他にも所得税や贈与税といった公租公課の問題であるとか、裁判をすることで当事者の関係が悪化するリスクであるとか、そういった具体的なものです。
こういったリスクを正確に分析し、正直にお伝えすることのできる弁護士は、信頼できる弁護士といってもよいでしょう。
もう少し説明しますと、法律相談でよく相談者から聞かれるのは、「この事件勝てますか?」といったものです。
もちろんこうした勝てるか勝てないかの可能性を判断するのが弁護士の仕事ですし、これがメインであるとも言えるのですが、事件というのは勝つか負けるかという二元論で割り切れるものではなく、それこそ多様な利害が交錯するややこしい問題を常に抱えています。 こうした中で、相談者にとってリスクとなり得る問題を探し出し、与えられた情報の中で生じうるリスクを発見し、これをわかりやすい言葉で説明ができる、というのが実は弁護士に求められた重要な役割の一つであると言えます。
ところが、事件の中からあり得るリスクを抽出するためには、素養の一つとして、広い視点で物事を分析する考え方を持ち合わせている必要があり、それができる弁護士は正直限られているように思われます。
またリスクを説明するというのは、事件が受任できない可能性を増やすことになりますので、それでもリスクを説明してくれる、というのはある意味正直で誠実な弁護士であるといえます。
ですから、事件の相談を受けて、事件そのものから生じるリスクを正直に説明できる弁護士は、能力的にも人間性としても信頼できる弁護士であるということができるのです。
ですので、初めて法律相談をした時は弁護士の先生に、「この事件で考えられるリスクは何ですか」、と一度聞いてみて下さい。
丁寧にかつ明確に、正直にリスクを説明できる弁護士は、まず「良い弁護士」の最初の条件をクリアできていると言えるでしょう。