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相続税の申告については、それぞれの税理士事務所などが独自に報酬を決定しています。
ですから、どの税理士に依頼しても報酬がまったく同じになるということではありません。
それでは、申告報酬の相場は、いくらくらいなのでしょうか。
結論からいうと、相続財産の額の1%以内を目安にするといいといえます。
ただし、相続財産の内訳など、事案の具体的な内容によって、大きく異なることになります。
では、申告のための報酬について、どのような観点から算定されるのか、一般的なポイントについて説明します。
まずは、
①相続財産の額
これが基準となって、基本的な報酬が算定されます。
通常は、逆累進性の考えによることが多いです。
つまり、例えば、申告報酬の基本的な報酬の額を
相続財産1億円までは0.6%
相続財産1億円から2億円までは0.4%
とする、というような形です。  この場合、相続財産1億5000万円であるとすると
(1億円×0.6%)+(5000万円×0.4%)=80万円
ということになります。
次に、以上の基準額に対する加算項目を見ていきます。
②土地、非上場株式など評価が必要な財産
土地、非上場株式などについては、申告する際に、評価額を求める必要があります。
評価の方法は、原則として、「財産評価基本通達」の定める方法で行います。
このような評価が必要になると、作業量が大きく増えますので、
土地1件につき10万円
非上場株式1銘柄につき30万円
というように、加算がされます。通常は、土地に比して非上場株式の評価の方がたいへんなので、加算額が大きくなることが多いといえます。
なお、原則として、建物は固定資産税の評価額、上場株式は市場価格によることになるので、評価の必要ありません。
③相続人の人数、申告期限が迫っているなど
このような場合にも、状況に応じて加算されることがあります。
④税務書類作成料
上記①の額を抑えてはいるものの、結果的に、申告書類作成などに係る費用として税務書類作成料を別途加算するようなこともあり得ます。
以上のとおり、相続税の申告報酬は、いくつかのポイントにより算定されることが多いです。
また、相続財産の具体的な内容により、ホームページに掲載されている報酬とは異なることもあり得ます。
例えば、土地の評価に当たり、「広大地」に当たるか否かの判断を要するものは、別途加算するなどの対応があることもあります。
このように、相続税の申告報酬は、個々の事案の内容によって金額が変わってくることが多いので、総額でいくらになるのかについて見積もりを取った上で、ご検討されるとよいと思います。
弁護士 山村 健一


相続は誰にでも起こることですが、いざ、相続が発生すると、その後、どのような手続をすればよいのかわからないものです。
今回は、相続をしたときに誰に何を相談できるか、まとめてみました。
相続した場合に相談する相手としては、主に、弁護士・司法書士・税理士がいます。
弁護士、司法書士、税理士の違いは、どのようなものでしょうか。
弁護士、司法書士、税理士が取り扱う主な業務
弁護士は、主に、①当事者間の任意の遺産分割協議
②裁判所で行う遺産分割に係る調停や審判など③不動産の相続登記手続などの遺産分割の執行
司法書士は、主に、
①当事者間の任意の遺産分割協議②不動産の相続登記手続などの遺産分割の執行
税理士は、主に、①相続税の観点からみた遺産分割の方法の提案
②相続税の申告手続を、それぞれ取り扱っています。
ですから、相続税が生じないという場合には、弁護士又は司法書士に相談する。
相続税の申告のみが問題だという場合には、税理士に相談する。
遺産分割、相続税のいずれにも問題がある場合には、弁護士又は司法書士、と、税理士に相談するということになります。
また、当事務所のように、相続税の申告も取り扱う弁護士もいますので、その場合は、弁護士に相談すれば、ワンストップですべてが解決できるということになります。また、このような場合には、コストを抑えることもできるというメリットがあります。
弁護士 山村 健一