千歳・大石法律事務所は横浜・関内の法律事務所です。

横浜・関内 千歳・大石法律事務所

(これからお話しするストーリーは手続を説明するためのフィクションであり、「ミナト木材加工株式会社」も特定の会社を想定したものではありません)

イントロダクション

A氏の場合①

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7 破産で覚悟すべきこととは?

「今までお話ししたとおり、御社の現在の状況についてお話しを聞く限りでは、破産も一つの可能性として検討しなければなりません。

もちろん、例えば、金融機関から緊急融資が受けられるような場合や、本社工場を売却してある程度の現金が手に入るというのであれば別ですが、融資を受けるだけの時間的な余裕はありませんし、何より本社工場は借地なので、売却することもできませんよね。

むしろ、今は資金繰りがショートする可能性が高いとはいっても、会社は営業しているわけですから、売掛債権の回収によってある程度の現金は確保できます。ですから、今破産を選択すれば、傷口が深くならずに済むかも知れません。」

弁護士は穏やかな目線でA氏に語りかけた。

「破産のメリットはわかりました。ではデメリットは?」

A氏はまだ迷っていた。

「デメリットといって良いかは分かりませんが、まず「ミナト木材加工株式会社」がなくなるということですね。この伝統ある会社がなくなること、については気持ちの面で整理が難しいかも知れません。

実は、会社の破産で一番難しいところは、この感情面での心の整理なんです。

ただこの部分をクリアできてしまえば、あとはビジネス、つまりお金の問題ですね」

「お金の問題といいますと?」

「まずは、従業員の解雇に関する問題ですね。解雇は従業員の生活の維持と直結しますから、経営者として適切な対応をしないといけません。」

「次に債権者からのクレームや不平不満が当然出てきます。とれるお金が取れないからですね。特に、御社との取引に重きを置いていた会社であれば、それこそ死活問題ですから、必死です。」

「ただこの問題につきましては、例えば弁護士が「受任通知」を送れば、その弁護士が債権者との間の話を受け止めることになりますので、結果として壁になります。また破産の手続が始まれば、その役回りは破産管財人という立場の人が主に受けることになりますし、「債権者集会」も裁判所の中で厳格な手続にしたがって行われますので、混乱もある程度は押さえられます。そもそも債権者が集会に来ない場合も多いですしね。」

「では、全く心配しなくてもいいんですね?」

「手続上はかなり守られるという意味です。ただし100%ではありません。

債権者にも色々な方がおられますので、弁護士が受任通知を送っても、直接あなたに電話を掛けてくる方はいるかも知れません。

よくお話しをするのですが、最終的にルールであったり、運用であったり、しきたりであったりそういったものを守るか守らないかはその人の自由です。

罰則があったり、損害賠償請求をされる恐れなどがあれば通常はやらないことでも、人によっては、そのようなペナルティーを受け入れてでも、自分のやりたいようにやりたい、と考える人もおられます。

そもそも、ルールや運用に無知な方であれば、そういった逡巡自体もないわけです。」

「これは、今回のようなケースに限らず、紛争全般に当てはまるものです。」

「ということは・・・」

A氏は梯子を外されたような気持ちになった。

「心配してますね。でもあなたが心配するような事態は実際にはほとんど起こりません。起こったとしても、例えば代理人弁護士が連絡をして誤解を解消することもありますし、破産手続きを早めることで、リスクを最小限にすることもできます。つまり、一つの手段でだめなら次の手段を選べば良いのです。

大事なのは、一回であきらめないという経営者としての決断力と柔軟性ですよ。」

「他に何かお聞きしたいことはありますか?あなたの目を見ていると、まだまだ聞き足りないという感じがしますね。」

「聞き足りない、というよりは、余りにことが大きすぎて、頭を整理し切れていないんですよ。ほんとどうなっちゃうんだろう。」

弁護士はひとしきりA氏の愚痴を聞いた後、口を開いた。

「それこそが、会社が一つなくなることについての心の整理ですよ。わからなくてあたりまえ。まずは、身近で信頼の置ける人に思いの丈を話してしまったらどうですか?」

 そして、弁護士は、椅子に深く腰掛け、おもむろに訟廷日誌を取り出した。

「いずれにしても、会社の重大事ですから、今決断する必要はありません。

もっともあまり時間もありませんので、明後日くらいに改めて事務所にお越しください。」

A氏は事務所を出てエレベータに向かった。

A氏は弁護士の話を聞いて少し心が晴れた気がした。しかし、同時に、経営者として最後の決断をすることの意味を考えざるを得なかった。

「ふう。やはり家族には説明しないとな」

 

次に続く


今週のウェルカムフラワーは

目にも鮮やかな紫陽花が主役です。

穂先がワインレッドのお花はワレモコウ。キュートですね。

グリーンは定番のアイビー、もう1つは木イチゴの葉っぱだそうです。

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ところで先週、千歳・大石法律事務所就任のご挨拶状を発送しましたところ、

お祝いのお花が3つも届きました。

胡蝶蘭

 胡蝶蘭はそこにあるだけで空間が華やぎますが、しばらくは香りも楽しめそうです。

お送りいただきました皆様、ありがとうございました。


今週のウェルカムフラワーはカラーとトルコキキョウです。

ウェルカムフラワー

そして今週火曜日、平成26年7月1日に、大石綾弁護士が着任し、

事務所名が

「千歳・大石法律事務所]

に変更になりました。

ご報告が遅れましたが、それに合わせてホームページもマイナーチェンジしております。

大石弁護士は、事務所代表である千歳弁護士と同期の女性弁護士で、

当事務所にも花が咲いたようです。

 

それに合わせ、部屋も少し広くなりました。

お隣のテナントが空きましたので、同じフロアで部屋を移動しております。

ただし、部屋番号には変更がございませんので、住所はそのままです。

広くて明るい相談室が特徴です。

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みなさまのご来所をお待ちしております。